「お嬢さん、気は確かですか」



 旅路を行く途中の、他愛もない話。
「お前ってさ、ゆくゆくは結婚とかするつもりだったりすんの?」
「何なのよ、その言い方。そりゃ、あたしだって女だもの、いつかは結婚するわよ」
「まあな、かろうじて女だもんな、そっかそっか……」
「笑顔が思いっきり不自然なんですけど」
 ふてくしていると、アルトが丸い瞳をこちらに向けた。
「じゃあさ、モエギはどんな人と結婚したいんだ?」
 本物の笑顔にどきりとして、モエギは慌てて目をそらし、答えた。
「そ、それはもう、誠実な人だよ。そしてあたしより強い人!」
「そういう奴と結婚したらどうするのだ? 家庭に入るのか?」
 サーラも微笑を浮かべて尋ねてきた。段々舞い上がってきて、モエギは頬を上気させた。
「そうなるかもね。あたし、子供は絶対二人以上って決めてるの! 一人っ子だったら寂しいでしょ? それと、旦那さんとは結婚しても恋人のように付き合うの! あとね……」
「もしもし? お嬢さん、気は確かですかー?」
 話す対象がアルトとサーラに移り、つい口が滑ってしまった。ジャックの白けた態度に、モエギは顔を真っ赤にして怒号を上げた。
「何よー! 少しくらい夢見させてくれたっていいじゃないのよー!」
 旅路の途中の、本当に他愛もない話。

お題提供・DOGOD69